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【books96.com】(ぶっくすくろ・どっとこむ)という思想系ブックストアを“開店”いたしました♪ 当ブックガイドや姉妹ブックガイドでご紹介している本をはじめ、聖書キリスト教仏教西洋哲学倫理学に関する本を多数ご紹介しております。見るだけでも十分に楽しめると思います。「こんな本があったのか! 知らなかった!!」という発見もあるはずです。ぜひお立ち寄りくださいませ!
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『ジーン・ワルツ』海堂 尊

ジーン・ワルツジーン・ワルツ
海堂 尊

新潮社 2008-03
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▼ベストセラーとなった『チーム・バチスタの栄光』の著者が、不妊治療問題に切り込んだ野心作である。ある“事件”を機に、閉院に追い込まれることとなった産婦人科医院。その医院には、それぞれの事情を抱えた“最後の患者”5人と、彼女たちを診察する新進気鋭の女医がいた。しかし、彼女の上司は、ひそかに代理母出産が進行しているという噂を聞きつける……。はたして、その真相は? そして、5人の妊婦たちがたどったそれぞれの運命とは? 厚生労働省に対する批判がたっぷりと盛り込まれ、生殖補助医療がどこまで許されるのかについて読者に深く考えさせる物語となっている。

『「尊厳死」に尊厳はあるか』中島 みち 著

「尊厳死」に尊厳はあるか―ある呼吸器外し事件から (岩波新書 新赤版 1092)「尊厳死」に尊厳はあるか―ある呼吸器外し事件から (岩波新書 新赤版 1092)
中島 みち

岩波書店 2007-09
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▼『脳死と臓器移植法』『患者革命―納得の医療、納得の死』など医療関連の著書が多い著者が、2006年(平成18年)3月に富山県の射水市民病院で起きた“人工呼吸器取り外し事件”を取材。病院で実際に行なわれたことが、実は私たちが思い描いている“尊厳死”からは程遠く、患者の尊厳を軽視するようなものであったこと、日本尊厳死協会やマスコミ、国会に見られる“尊厳死法制化”への動きが危険な内容をふくんでいることを報告している。尊厳死をめぐって私たちが知らないところで何が行なわれているかを知るには格好の1冊である。

『生死の仏教学』木村 文輝 著

生死の仏教学―「人間の尊厳」とその応用生死の仏教学―「人間の尊厳」とその応用
木村 文輝

法蔵館 2007-04
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▼インド哲学を専門とする著者が、脳死、臓器移植、クローン人間の産生など生命倫理であつかわれる問題について仏教の視点から考察している。しかし著者は、他書によくあるように、生活の場から遊離した建前論や抽象的な概念によって問題を考えているのではない。「仏教の基本理念を難解な仏教語に頼ることなく説き明かしつつ、それを『きれいごと』では済まし得ない現実の社会に活かしていく方途を模索」しようとしている。著者は、「仏教の最も根本的な存在意義は、人々の苦しみを取り除くことにある」という。この立場に立つと、脳死、臓器移植、クローン人間の産生などについてどう考えることができるのか? 著者自身の“結論”は(ある理由のために)ないが、現実に即して考えるためのヒントが数多く詰まった好著である。

『1冊でわかる医療倫理』トニー・ホープ 著

医療倫理医療倫理
トニー・ホープ 児玉 聡 赤林 朗

岩波書店 2007-03
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▼オックスフォード大学教授で精神科医の著者が、安楽死や遺伝子検査、精神障害などにまつわる医療上の問題をどのように考えたらよいかについて、コンパクトに解説している。この手の本はたいていの場合、倫理学上の問題とそれらをとらえる視点の羅列だけで終わってしまうことが多いが、どのような道筋で考えていけばいいのかが明確に示されている。巻末には、訳者による「日本の読者のための読書案内」が収められており、次にどんな本を読んでいけばいいのかがわかって、かなり有益である。

『がん緩和ケア最前線』坂井 かをり 著

がん緩和ケア最前線 (岩波新書 新赤版 (1067))がん緩和ケア最前線 (岩波新書 新赤版 (1067))
坂井 かをり

岩波書店 2007-03
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▼NHKチーフ・プロデューサーとして主に医療問題に関する番組を制作してきた著者が、癌研有明病院での1年にわたる取材で見聞した実情を報告している。「緩和ケア」というと、医師から回復の見込みがないとサジを投げられた末期患者に対する苦痛緩和の措置とサポートだと思われがちであるが、本書を読むと、そうではないことがわかる。「緩和ケアは、こうした終末期に限って行われるべき医療ではなく、がん患者の病気と向き合う日々に、つねに提供され続けなければならない医療なのです」。実際、著者も、緩和ケアに対する誤解があったのだが、取材を通して「緩和ケアが多くの患者さんに『死の受容』とは正反対の『生きるための力』を与え続けている事実を知ることになりました」。そうした緩和ケアの現状と、これからのあるべき姿を、米国の緩和ケアをも視野に入れつつ考察・紹介した良質な1冊である。

『遺伝医療とこころのケア』玉井 真理子 著

遺伝医療とこころのケア―臨床心理士として遺伝医療とこころのケア―臨床心理士として
玉井 真理子

日本放送出版協会 2006-12
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臨床心理士として遺伝子診療にたずさわり、信州大学医学部の教員をも務める著者が、先天異常や出生前診断、家族性腫瘍や神経難病の発症前遺伝子診断といった遺伝医療の現場における「こころのケア」について報告している。子どもが障害をもっていると知り、激しい混乱状態におちいる親……。しかし、親たちは、いつまでもそうした状態にとどまっているわけではない。「時間をかけてゆっくりと立ち直っていく」。そして、「やがて親たちは気づいていく。障害をもっていることそのものが不幸なのではなくて、障害をもっていることは不幸だとしか思ってもらえないことこそが不幸なのだ、と」。そうした「親が感じているものを徹底してそのまま感じようとするまなざしをもち続けながら、自覚的に一定の距離を保ってそばにいる」ことを徹底して実践してきた著者のこれまでの知見を、豊富な臨床例とともにていねいにつづっている。人の悩みや悲しみを癒すとはどういうことか?――その生きた実際を学べるはずだ。

『モノ・サピエンス』岡本 裕一朗 著

モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類
岡本 裕一朗

光文社 2006-12-13
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▼『異議あり! 生命・環境倫理学』の著者が、“人間の「使い捨て」時代が始まった”と主張。労働、医療、経済、政治、メディアといったさまざまな側面から、その実態を解明しようとしている。生命倫理に直接関わる話題はクローンや遺伝子診断、ES細胞、臓器売買などであるが、それらの問題を生命倫理の枠内にとどまらず、“人間のモノ化”という現代社会の大きな流れのなかでとらえることができる。著者は「『モノ・サピエンス化』への潮流を拒否したり、またこれを食い止めようとしたりしても、なんら有効ではない」と言う。本当にそうなのか? これからの社会を考えるためのよき資料となっている。

『ベビー・ビジネス』デボラ・L・スパー 著

ベビー・ビジネス 生命を売買する新市場の実態ベビー・ビジネス 生命を売買する新市場の実態
デボラ・L・スパー 椎野 淳

ランダムハウス講談社 2006-11-23
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▼著者は、ハーバード・ビジネススクールの教授である。経済の専門家としての視点から、米国における不妊治療や代理出産、“デザイナー・ベビー”、ヒトクローン、養子縁組といった「赤ん坊市場」の実態を報告している。この本を読むと、こうした生殖技術を中心とする“市場”が、まともな規制がないままに、いかに巨額の利益を生み出しているのかがよくわかる。著者は、米国政府が「赤ん坊市場」に対して一定のルールをもうける必要性を訴えているが、倫理的な提言はしていない。しかし、そうした提言はなくとも、読む者はいやでも生殖技術に関する倫理について考えこんでしまうはずだ。

『ES細胞の最前線』クリストファー・T・スコット 著

ES細胞の最前線ES細胞の最前線
クリストファー・T・スコット 矢野 真千子

河出書房新社 2006-08-17
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▼スタンフォード大学で「幹細胞と社会における生物医学倫理プログラムセンター」所長を務める著者が、ES細胞研究にまつわる現状と問題点をわかりやすく解説している。ES細胞の研究の歴史や幹細胞の基礎知識、ES細胞が再生医療においてもつ大きな可能性について説明したあと、ES細胞がもたらすであろう科学的・倫理的な問題点について指摘している。また、2005年(平成17年)に韓国で起きた“ES細胞論文捏造事件”の推移と影響についても1章を割いて論じている。これまでのES細胞研究をコンパクトに俯瞰できる1冊だ。文章もわりと平易で、専門知識がない初心者にも充分に読み進めることができる。

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プロフィール

Author:えすくろ
「生命倫理を知るブックガイド」管理人のえすくろです。もう遠〜い遠〜い昔に大学院で宗教学を専攻。それ以来、聖書&キリスト教、仏教&仏教経典、西洋哲学&倫理学、社会学(とくに宗教社会学)について広〜く浅〜くたしなみました。今は某大学通信教育課程の非常勤講師として哲学系・社会学系の科目を担当しています。

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